昭和33年の行事次第
【和歌森 太郎編 くにさき −西日本民俗・文化における地位−第3章 修正鬼会 半田康夫】抜粋
オニヨ当日には、部落の世話人を初め、堂役(トシノカンジョウ・年男)・タイイレシ(タいアゲ)・ハヤシカタ(楽師)・給仕人などの役付や、料理人その他人夫などが早朝から寺に参集して、行事の準備を整える。
同じ組内の応援の僧も昼ごろまでには到着する。
【本堂での行事】
■干仏名・お斎(おとき) |
午後3時ごろから岩戸寺本堂で、院主を中心として全僧が千仏名1巻を読経し、続いて僧侶のお斎(食事)が行なわれる。
この給仕に当るのは、7挺の大ダイを捧持するタイイレシのうちの1番と2番のタイイレ4名である。ついでタイイレシや堂役等がお斎をいただくころにはすでにたそがれとなっている。
この間庫裡では、小餅に胡椒味噌をつけたメサマシをイロリの火で焼いている。
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平成21年の行事次第
境内では、甘酒を振る舞うボランティアの人たちも見受けられた。また、本堂の裏手の講堂下では、地域の若衆がお守りを売っていた。
今年から始めたそうである。この行事が地区の活性化に一役買う様になればと願う。
【昼の勤行】
午後3時、僧達はホラ貝を吹き鳴らしながら一列になって足早に講堂へと向かう。
■伽陀(かだ:チェッカー) |
法華懺法(ほっけせんぽう)を修し、道場の諸仏を讃嘆(感心してほめたたえること)して礼拝する儀式。
伽陀は、サンスクリット語の“gaathaa”に相当する音写で、偈頌(げじゅ)諷誦(ふじゅ)と訳される。元の意味は“歌”で、サンスクリット語のシラブル“音節”の数や長短などを要素とする韻文の事。声明を唱える儀式。声明とは、仏教声楽曲である。 |
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